相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「死産した胎児は戸籍上、記載されるコトはないから命名する必要はないけど…俺はこの子に名前を付けたい…この子に名前を付けるコトで確かにこの世に存在していた。そう思いたいんだ。遥はどうする?」

「名前?・・・そうね・・・私も奏弥さんと同意見」

「じゃ名前付けようか?」

「うん・・・」

二人で名前を考えた。
産まれて来る子供に名前を付ける。親なら、誰しも心が弾むコトだろう。
でも、私達の子供は胎内で死亡している。

今更名前を付けても仕方がない。

でも、彼は名前を必死に考えていた。

「聖弥(セイヤ)はどう?槇村聖弥・・・」

「素敵な名前ね…」

「じゃ聖弥でいい?」

「うん」

「聖弥君か・・・」

赤ちゃんは天から授かり物だと言うけど、私達の子は天に召されてしまった。

「そろそろ寝ようか…」

「うん…奏弥さん・・・色々と負担掛けて…ゴメンなさい…」


「・・・遥…」

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