相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「すいません…お義父さん…奏弥です…お話があります…開けてください」

俺は根気強く何度もノックした。

お義父さんの方が根負けして、ドアを開けてくれた。

「奏弥君・・・」

お義父さんの書斎へと入る。

「どうしても貴方とお話がしたくて・・・」

「…私の方こそ…娘の頼みとは言え…取り返しのつかないコトをしたと思っている…」

「いえ・・・」

「この通りだ…すまない…奏弥君」

お義父さんは腰を折り、丁重に詫びて来た。

「頭を上げてください…お義父さん」

「しかし…私は君に…大変なコトをさせてしまった・・・」

「・・・いえ・・・」

例え、仮初でも俺と遥はパパとママになれたんだ。
貴重な経験だった。

「・・・まだ・・・傷が癒えてませんが…貴重な経験でした・・・」

パパとママになる喜び。
命の尊さ、子を失う親のキモチ。

「俺はこの経験を生かして…産科医として更に邁進したいと思っています」

「奏弥君…」

「・・・そうしないと息子の死は無駄になります…」

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