相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~


用事があり、廊下を歩いていると向こうから俊吾君とお腹の大きな奥さんが歩いて来た。

俊吾君の方も私の姿に気づいた。
「遥・・・さん!?」
「俊吾君!!?」

私達は足を止めた。

私は思わず懐かしそうに彼の見つめてしまった。

彼は私の首にぶら下げていたネームホルダーを見る。

「新生児科担当医師・槇村遥・・・槇村って…俺達の担当している産科医と同じ苗字だな」

「あ、奏弥さんでしょ?私達夫婦なの…俊吾君も東亜で赤ちゃん産むのね…」

「あ・・・」

俊吾君は突然の元カノの登場に驚き、奥さんにどう説明すればいいのか…迷っていた。

「高校時代の先輩と言うか…」

「へぇー…妻の杏南です」

奥さんの杏南さんは私に愛想良く自己紹介しながらも、内心はけん制していると思う。
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