相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「まさか…遥さんが医者になっていたなんて…驚きだよ」
「そう?自身の病で、副院長の諏訪部先生には凄くお世話になったから…そのまま猛勉強して東亜医科大に入学して、医者になっちゃったの…」
「そうなんですか…」
「もう少しお話したいけど、私急いでるから…またね…俊吾君」
私は短く手を振り、二人の前から立ち去った。
まさか…偶然とはいえ、俊吾君に再会するなんて・・・
眼鏡の奥の理知的な目は昔と変わっていなかった。
俊吾君もパパか…
あのまま、彼に甘えて交際を続けていたら、今頃彼の隣に居たのは私かもしれない。
でも、私はあえて彼に別れを切り出した。