相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
破水で入院して来た神楽坂夫人。
彼女は有名な料理家・神楽坂睦月さん。

三十二週目での帝王切開。
性別は男の子。

神楽坂社長夫妻の間に産まれた赤ちゃんが私と奏弥さんの赤ちゃん・聖弥と重なる。
私は保育器の中で眠る神楽坂ベビーを見つめた。

手術の翌日。
神楽坂夫人が歩行訓練も兼ね、赤ちゃんを見にNICUに来た。

「遥先生」

「あ…」
上村さんが神楽坂夫人の車椅子を押して来た。

「…神楽坂さんのベビーを担当させて頂いています。新生児科医の槇村遥です」

「もしかして…貴方が槇村先生の奥さんですか?」

「あ・・・まぁ~」



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