相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
それから一週間後・・・

杏南さんは産気づいた。
彼女のお産は超安産で、男児を出産した。
長谷川副社長は仕事の都合で立ち会えなかったコトを悔やんでいた。

「!?」

俺が新生児室に行けば、硝子越しで長谷川副社長夫妻が我が子を見ていた。

「…夫婦揃って赤ちゃんと対面ですか?」

「え、あ・・・」

「・・・妻の元カレの赤ちゃんを取り上げたのは俺としては少々複雑ですが…」

「…遥さんから訊いたんですね…」

「まぁ」
正確には遥から直接訊いたわけじゃないが、説明するのは面倒だから適当に返した。

「でも・・・大昔の話です…」

「・・・そうですね…」

俺も相槌を打った。

やはり、俺の素っ気ない態度で長谷川副社長も分かっていたんだろう。
やっぱり…と言ったキモチが顔に出ていた。



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