相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「じゃ遥…俺…行って来るよ…」
リビングを掃除していた私に向かって言い放った。
奏弥さんの右手には奏多君の為に買った新しいサッカーボール。
何だか表情はとても嬉しそうだった。
デートにでも行くかのような雰囲気を醸し出していた。
もしかして、奏弥さん…笹倉さんに気があるの?
私は彼を玄関先まで見送る。
「何時に帰って来るの?」
「えっ?あ・・・多分夕方までには帰るよ…夜は外で久しぶりにメシ食う??」
「あ・・・うん」
「何だか・・・浮かないね…やっぱ・・・寂しい??」
「別に…」
私は少し頬を膨らませ、彼から顔を逸らす。
「…寂しいんだ…そのむくれた顔…可愛いね…」
奏弥さんは私をギュッと抱き締めて来た。
「そ、奏弥さん!?」
「愛してるよ…遥」
私の頬にキスして、彼は上機嫌に出て行った。