相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~

「じゃ遥…俺…行って来るよ…」
リビングを掃除していた私に向かって言い放った。
奏弥さんの右手には奏多君の為に買った新しいサッカーボール。

何だか表情はとても嬉しそうだった。

デートにでも行くかのような雰囲気を醸し出していた。
もしかして、奏弥さん…笹倉さんに気があるの?

私は彼を玄関先まで見送る。
「何時に帰って来るの?」

「えっ?あ・・・多分夕方までには帰るよ…夜は外で久しぶりにメシ食う??」

「あ・・・うん」

「何だか・・・浮かないね…やっぱ・・・寂しい??」

「別に…」

私は少し頬を膨らませ、彼から顔を逸らす。

「…寂しいんだ…そのむくれた顔…可愛いね…」

奏弥さんは私をギュッと抱き締めて来た。

「そ、奏弥さん!?」

「愛してるよ…遥」

私の頬にキスして、彼は上機嫌に出て行った。
< 95 / 212 >

この作品をシェア

pagetop