相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
この日記帳は丁度二年前…
私のコトも書き込まれていた。
当時の私には言えなかった奏弥さんの心の内を初めて知った。
『あんなにも赤ちゃんを楽しみしている遥には言えない。残酷な現実を。
自分の無力さが呪わしい。嘘だと思いたい』
『ゴメン、遥・・・君の本当のキモチを理解してあげられず・・・支えてもやれなかった。俺も聖弥を失って、どうしていいのか分からない…』
『聖弥と同い年に産まれて来る赤ちゃんを見ているととても辛い。何で、俺達の子だけが死んでしまったんだろう…俺がこれだけ辛いと思ってんだ。遥の方がもっと辛いんだろうな。
でも、俺は遥と離婚したくない。二人では生きていけないのか?』
私には言えないキモチが沢山書き込まれ、私の心にグサグサと突き刺さって来る。
やっぱり、私は罪なコトしたんだ・・・
私は彼の心を深く傷つけていた。
日記帳と共にあったのは飲みかけの薬。
パッケージを見ると中身は抗うつ剤だった。
やはり、奏弥さんも精神的に参っていたんだ…
―――全部私のせいだ・・・