天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
1、うちの天才脳外科医
「お大事になさってください」
外来の患者さんににっこり微笑み、処方箋と領収書を手渡す。
「どうもありがとね」
覚束ない足取りの患者さんを正面玄関前にあるバス停まで見送って受付に戻ると、同僚に声をかけられた。
「如月さん、お昼行っておいでよ」
「あっ、はい」
返事をしながら掛け時計を見たら、もう午後一時を過ぎている。
「今日は月曜だったせいか患者さん多かったもんね」
八月下旬ーー。
病院は空調が効いて涼しいけれど、外は日差しが熱く、肌が一瞬で焼けそうだ。
そんな暑さでも私は訳あっていつも長袖を着ている。
私は如月茉莉花、二十七歳、独身。恋人はいない。
身長は百五十六センチ、黒髪ボブで、顔は猫顔。目力が強いとよく人に言われる。
都内でもよくその名を知られている小鳥遊総合病院で受付業務をしている私。
ここで働く前は父が経営している製薬会社で働いていた。
小鳥遊総合病院は代々木にあって、内科、外科、世界的にも優秀なスタッフがいる脳神経外科など全三十一の診療を開設する都内屈指の総合病院。
外来の患者さんににっこり微笑み、処方箋と領収書を手渡す。
「どうもありがとね」
覚束ない足取りの患者さんを正面玄関前にあるバス停まで見送って受付に戻ると、同僚に声をかけられた。
「如月さん、お昼行っておいでよ」
「あっ、はい」
返事をしながら掛け時計を見たら、もう午後一時を過ぎている。
「今日は月曜だったせいか患者さん多かったもんね」
八月下旬ーー。
病院は空調が効いて涼しいけれど、外は日差しが熱く、肌が一瞬で焼けそうだ。
そんな暑さでも私は訳あっていつも長袖を着ている。
私は如月茉莉花、二十七歳、独身。恋人はいない。
身長は百五十六センチ、黒髪ボブで、顔は猫顔。目力が強いとよく人に言われる。
都内でもよくその名を知られている小鳥遊総合病院で受付業務をしている私。
ここで働く前は父が経営している製薬会社で働いていた。
小鳥遊総合病院は代々木にあって、内科、外科、世界的にも優秀なスタッフがいる脳神経外科など全三十一の診療を開設する都内屈指の総合病院。
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