天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
氷室先生が執刀したから、オペは無事に成功したのだ。
心からお礼を言ったら、先生に頭を撫でられた。
『茉莉花ちゃんはいい子だな』
クスッと笑う先生が神々しい。
朝子おばあちゃんはその後驚異的な回復力を見せ、今は一般病棟に移ってリハビリ中。
氷室先生は、受付に高級スイーツを何度も差し入れてくれるようになった。
『茉莉花ちゃん、今日は洋梨のタルトだよ』
孫と勘違いされていたせいもあって、先生にはずっと下の名前で呼ばれていた。
『先生ありがとうございます。でも、孫と間違えたからってそんな気にしないでください。先生にはゆっくり身体を休めてほしいです。ひとりの身体ではないんですよ。たくさんの人を救える手を持っているんですから……あっ、すみません。言い過ぎました』
生意気にも天才ドクターに説教してしまったが、先生は怒らずククッと笑った。
『ひとりの身体じゃないなんてまるで俺が妊婦さんみたいだな。お言葉通り、ゆっくり休むよ。ありがと』
一人称が僕から俺に変わってる。
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