天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
フロントに戻ろうとしたら、氷室先生に止められた。
「無駄だよ。今は学会で満室」
「そんなあ。じゃあ、他のホテルを探します」
一緒の部屋なんて私の心臓が持たない。
なんとしても空いてる部屋を見つけないと。
「近隣のホテルも同じだよ。スイートだからベッドルームふたつあるし、問題ないよ。でも、そこ気になるんだ?いつもの茉莉花ちゃんなら、仕方ないですねって言いそうなのに、なにをそんなに動揺してるの?」
彼の指摘にギクッとする。
面白そうに目を光らせる彼からさっと視線を逸らし、スーツケースを奪い返して部屋に入った。
「動揺してなんかいません!もうここでいいです。さあ、入りましょう」
あまり先生に追及されたくない。
自分だってどうしてこんなにドキドキするのか理由がわからないのだ。
氷室先生が言うようこのスイートにはメインベッドルームとサブベッドルーム、リビング、書斎、それにミニキッチンがあってホテルの部屋というよりは家のよう。
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