天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
バスルームやトイレもそれぞれふたつずつあるし、一緒に泊まっても問題ないだろう。
部屋を確認してホッと胸を撫で下ろす私を先生はニコニコ顔で眺めている。
「私はこのベッドルーム使わせてもらいます。先生は身体も大きいですし、大きいベッドの方使ってください」
「うん。そうさせてもらうよ」
氷室先生がメインのベッドルームに向かうのを見て、私はサブベッドルームに入り、スーツケースを置くとベッドに腰を下ろした。
「ハーッ、なんかどっと疲れが出た」
新幹線は氷室先生と席がずっと隣りだったし、もう息を吸うのも緊張してた。
先生はパソコン広げて仕事してたけど、私はなにもすることがなくてネットのニュースを見てただけ。
あまりに退屈だったせいで睡魔に襲われ、いつの間にかうとうとしちゃって……気づいたら岡山に着いていた。
旅行じゃないのに寝ちゃうなんて、なにをやっているのか。
しっかりしろ、茉莉花。
「茉莉花ちゃん、じゃあ行こう」
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