天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない～独占欲に火がついて、とろとろに愛されました～

『先生、大丈夫です。絶対に成功します。私が約束します』
『ああ。茉莉花ちゃんを嘘つきにしたくないから頑張るよ』
私の頭を撫でて、先生は上機嫌で鼻歌を歌いながら去って行った。
それから、それが難しい手術前の先生の儀式にーー。
周りの事務員さんも氷室先生が来ると、温かい目で私とのやり取りを見ている。
『如月さん、すっかり氷室先生のお気に入りね』
一緒に受付をしている事務員さんがフフッ笑ってそんなことを口にしたのでギョッとした。
『そ、そんなんじゃないですよ』
『いいじゃないの。あんな美形ドクターに好かれて。お医者さんの奥さんになるのも夢ではないかもよ』
『いやいや。ああいう人には、ハイスペックな女性がお似合いです。それに私、いつも子供扱いされてますから』
氷室先生に会うと必ず頭を撫でられる。
それに、先生は気晴らしに受付に来ているだけだ。
だが、お願いだからそっとしておいてほしい。
私はイケメンに興味はないし、穏やかな日常を送りたいのだ。