天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
蓼食う虫も好き好きって言うけど……ああ〜、これは現実じゃなくて夢なんじゃないの?
自問自答していたら、氷室先生に肩を叩かれた。
「茉莉花ちゃん、肉が黒焦げになってるよ」
「え?あっ、本当だ。お肉無駄にしちゃった」
黒焦げの肉を見て落ち込む私。
そんな私の前に氷室先生が焼いた肉を置いていく。
「はい、茉莉花ちゃん、これ焼けたからしっかり食べて」
「はい、ありがとうございます」
氷室先生に礼を言って肉を口に運ぶと、向かい側にいる小鳥遊先生にスマホで写真を撮られた。
「なんか氷室が母鳥に見える。お前の意外な一面をまた知った」
小鳥遊先生の皮肉にも氷室先生は余裕の返しをする。
「そう。俺って好きな子にはとことん尽くすタイプみたい」
そんなやり取りをしながら肉を焼いていると、老若男女問わずひっきりなしにどこかの医者がやってきて氷室先生と小鳥遊先生に挨拶する。
中には若い女医もいて、しつこく先生たちを誘った。
「氷室先生、小鳥遊先生、夕食が終わったらホテルのバーに飲みに行きません?」
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