天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「いいえ、おふたりともモテるので私が守ろうと思っただけです。そのために私が同行してるんですから」
「香織にいらぬ心配だって伝えておいて」
小鳥遊先生がコーヒーを口に運びながらそんなことを口にするものだからギョッとした。
ああ、しっかり相手までバレてる。
「あの……ち、違うんですよ。本当に。香織さんになにも言われてないです」
しどろもどろになる私に、小鳥遊先生はどこか楽しげに言った。
「まあそういうことにしておこう。あと、なにか土産買って帰るって香織に伝えておいて」
「小鳥遊先生、そういうのは先生が直接言った方がいいですよ」
私が生意気にも率直な意見を口にすると、彼は珍しく戸惑った表情をした。
「電話なんて滅多にしない」
硬派な小鳥遊先生らしいけど、それじゃあふたりの仲は進展しない気がする。
「もう業務報告のついででもなんでもいいですから、直接言ってくださいね。約束ですよ」
強い調子で念を押す私に、氷室先生も同調した。
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