天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
学会ってちょっとした同窓会だな。
邪魔になると思い、小鳥遊先生に目と手で出入り口の方に行くと伝え、席を立つ。
出入り口のドア付近で氷室先生を待っていたら、岩井さんに声をかけられた。
「あなた、氷室先生とやけに親しそうですけど、あの方はあなたが気軽に近づいていい相手ではございませんのよ」
私を見下したその言い方に、過去の苦い経験を思い出す。
「仕事で同行しているだけですし、氷室先生に付き纏っているわけではありません」
彼女をしっかりと見据えて言い返すと、フンと鼻で笑われた。
「あら、昨日美術館にいるのを見かけましたけど、あなたが無理言って誘ったのではなくて?」
この人、美術館まで先生追ってついてきたの?
先生のためにもストーカーじゃないと祈りたい。
「別に誘ってはいませんし、誘ったとしてもあなたになんの関係があるんですか?」
感情的にはならず淡々と返したら、彼女は興奮気味に捲し立てた。
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