天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
まるで私の心の傷を治すようにーー。
「先生……」
氷室先生の目を見つめ返したら、彼は私の頭をクシュッと撫でた。
この優しさ……好き。
ああ……私……氷室先生が好きなんだ。
ひだまりのように温かく、いつも私を守ってくれる。
彼は特別な人。
「先生、私……」
好きだと伝えようとしたら、五十代くらいの男性が数人やって来て氷室先生に声をかけた。
「氷室先生、さっきの術式、もっと詳しく話を聞かせてくれないか?」
女性医者だけでなく男性医師からも氷室先生はモテモテ。
氷室先生が私の方をチラッと見たので、笑顔を作って言った。
「氷室先生、私はカフェに行ってますね」
先生が頷くと、ひとりホテルの一階にあるカフェに行ってコーヒーを頼み、香織さんにメッセージを打った。
【そっちはどうですか?こちらはさっき氷室先生の講演が終わったところです。小鳥遊先生はいつも通りクールで、女医さんの誘いがあっても断ってますよ。浮気の心配はないです】
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