天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
送ってすぐに彼女から返信が来た。
【茉莉花ちゃん、浮気って小鳥遊先生は私の恋人じゃないから!】
文面から香織さんの動揺が伝わってくる。
【はい。わかってます。それで仕事の方はどうですか?】
香織さんが休憩取れないほど忙しくないといいのだけれど。
【昨日も今日も入院する患者さん少なくて落ち着いてるよ。こっちの心配はいいから、岡山で美味しいものいっぱい食べて来てね。ついでに観光もしておいでよ】
彼女の返事を見てホッとする。
すぐにメッセージを返してきたということは、今余裕があるのだろう。
【すでに昨日観光してきました。お土産買って帰るので楽しみにしててくださいね】
そう締めくくってメッセージを終わらせ、コーヒーを手に取ったら、今は聞きたくなかった声がした。
「茉莉花さん、ひょっとして学会に?」
ビクッとしながら声の主に目を向けると、田辺さんが目の前にいた。
その姿を見ただけで身体が強張る。
田辺さんは一緒にいた秘書らしき男性に先に行くよう促し、私のテーブルに近づく。
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