天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「そうなんだよ。とにかく、もっと自信持ったら?あの兄さんがあんたを選んだんだから……あっ!」
急に変な声を上げる彼に声をかけた。
「どうかしました?」
「なんでもない。ちょっと俺……馬鹿だなって思っただけ」
ハハッと笑う彼の笑顔は樹そっくりだった。
医学生の時の樹ってこんな感じだったのかな。
「笑った顔、先生に似てますね」
ふふっと笑う私をまじまじと見て透くんがボソッと呟く。
「兄さんがあんたを選んだ理由、なんとなくわかる気がする」
「私には全然わからないんですけど」
「そういうのは本人に聞けば?多分、喜んで説明してくれると思うよ。小鳥遊さんの話では兄さんあんたを溺愛してるらしいし」
「溺愛って……そんな……」
「自分の懐に囲い込んでるんだから、小鳥遊さんが言うように俺の義姉さんになるのもそう遠くないかもね」
クスッと笑って彼がそんな話をするものだから、慌てた。
「そんな……私、先生が好きって昨日わかったばかりなんですよ」
おろおろする私に至極楽しそうに忠告する。
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