天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
いつのまにか玄関に来ていた透くんを樹が見やった。
「小鳥遊さんから『透に義姉さんできるかも』って連絡があって、どんな相手か見に来たんだよ。変な女なら別れさせようかと思って」
小鳥遊先生、透くんにとんでもないことを吹き込まないでほしい。
目をカッと見開いて驚く私とは対照的に、樹は面白そうに目を光らせる。
「で、どうだった?」
「いいチョイスじゃないの。よくよく考えてみたら、兄さんが変な女連れてくるはずないんだよね」
透くんはチラッと私を見て再び樹に視線を戻した。
「そういうこと。わかったらさっさと帰れよ」
樹はどこか嬉しそうに笑って私の家から透くんを追い出そうとする。
「すぐに退散するけど、最後にひとつだけ。もう隣に住んでるなら、茉莉花さんと一緒に住めば?茉莉花さん、まだ兄さんと付き合ってる実感がないってさ」
さっきの話を樹にバラされ顔を青くする私。
「ちょっ……透くんなにを言ってるの〜!」
透くんに文句を言うが、彼は悪戯っぽく笑って私に手を振った。
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