天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「じゃあそういうことで、邪魔者は帰るよ。茉莉花さん、パスタ美味しかった。ご馳走さま」
この場から去る透くんを見送る。
「結局、透くんは私に会いにきたんですね。樹に年の離れた弟がいるなんて知らなかったあ」
先生になにか用事があるのかと思った。
ポツリと呟く私を樹が身を屈めて注意する。
「透は俺が十歳の時にできた弟でね。ねえ、茉莉花ちゃん、いくら俺の弟だからって、男を家にあげるのは感心しないな」
その不穏な声の響きに身体がビクッとする。
「でも、樹がいつ帰ってくるかわからないし、透くんずっと外で待ってたから可哀想で」
「いい大人なんだから放っておいて大丈夫だよ。それで、俺と付き合ってる実感がないって?」
急に樹に話を戻され、あたふたする。
「そ、それはですね、樹が好きって自覚したのは昨日ですし、それに樹みたいにハイスペックな人が私を好きだというのが不思議で……あの……なんか怒ってます?」
樹が急に静かになるので不安になった。
< 180 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop