天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
恐る恐る確認したら、彼は真剣な顔で答える。
「怒ってはいないよ。でも、そういうことは透にではなく俺に話してほしいな」
「うっ、すみません」
うつむいて謝る私の頬に彼は手を添えた。
「まあ、付き合って間もないから実感がないのはわかる。だから、早く俺に慣れるよう今日から俺のベッドで一緒に寝ようか?」
樹にそう言われたが、借りている部屋の契約のことを思い出した。
「あっ、樹、そう言えば、私が借りている部屋の契約とか電気代とかどうなってますか?」
このままズルズルとタダで住んでしまいそうで怖い。
「もう恋人なんだからそんなのいいよ」
お金に無頓着なのか、そんな返答をする彼に反論した。
「そういうわけにはいきません。家族ではないんだからそういうのはちゃんと払わないと」
「家族でない……か。なるほどね。わかった。茉莉花ちゃんが納得するように処理するから、もうちょっと待って。仕事もあるし、今ちょっと手が回らない」
ニコッと樹が笑顔で言うので少し安堵した。
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