天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「明日から脳神経外科に行ってもらうことになったから」
「へ?」
思わず変な声を出した私に、院長は穏やかな笑みを浮かべて言い直した。
「だからね、茉莉花ちゃんは明日から脳神経外科の病棟クラーク。氷室くんに『茉莉花ちゃんを是非ともうちに欲しい』ってお願いされちゃってね。ほら、彼によそに移られたら困るから。よろしく頼むね」
とんでもない爆弾を落とし、院長は去っていく。
明日から脳神経外科の病棟クラーク?
その話は氷室先生に断ったのに、なんで?
顔面蒼白になる私。
だが、しばらくすると沸々と怒りが込み上げてきて、脳神経外科の病棟に向かった。
エレベーターを降りたところで、手術がちょうど終わったのか自分の肩をトントン叩いている氷室先生に出くわした。
「あー、無事に終わった……って、茉莉花ちゃんじゃないか?どうしたの?手術が心配で応援に来てくれたとか?」
楽しげに光るそのライトブラウンの目を見て確信する。
この目。私がここに来るってわかってたんだ。
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