天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「いい?田辺と会ってもふたりきりになっちゃだめだよ」
樹が私に注意すれば、兄も彼の言葉にこくこく頷きながらお説教モードに入った。
「お前警戒心が足りないからちゃんと氷室さんの言う通りにしろよ。ひとりでなんでも解決しようとするな。茉莉花は自立心が強いから兄ちゃんは心配だ」
「確かに」と今度は樹が兄の言葉に相槌を打つ。
そんなふたりを見てなんだか頭痛がしてきた。
お願いだから徒党を組まないでほしい。
「大丈夫。無茶なことはしないから」
安心させるように言うが、ふたりは疑いの目で私を見る。
「「どうだか」」
ここでもふたりの声がシンクロして苦笑いした。
「私って信用ないのね」
「茉莉花ちゃんは基本的に人を頼らないからね。お義兄さん、すみません。連絡先教えてください」
樹がスマホを出すと、兄は仏頂面で返した。
「氷室さんの方が俺より年が上ですよね?隼人って呼んでください」
ふたりのやり取りに目を丸くする。
明日は雪でも降るんじゃないだろうか。
お兄ちゃんが樹に歩み寄ってる。
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