天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
事務職は給料が安いけど、割と定時で上がれるのが魅力。
バッグを持って病院内にあるカフェに行くと、カフェオレとサンドイッチを買って席を探した。
「え~と、どこか空いてないかな?」
キョロキョロ店内を見回したら、奥のふたり掛けの席が空いている。
トレーを置いて席に着き、バッグから昨日不動産屋さんでもらった資料を取り出してサンドイッチをパクつきながら眺めた。
「家賃九万五千円、管理費三千円で二階の角部屋。こっちは家賃九万円、管理費二千円で、一階。うーん、悩む」
病院の近くの物件だとかなり高くなる。
じっくり探す時間はないが、他の物件も探した方が良さそうだ。
「茉莉花ちゃん、アパート探してるの?」
テノール調の美声が聞こえて顔をあげたら、すぐ目の前によく知った超絶美形の顔があってビクッとした。
この人は氷室樹、三十三歳。この病院の天才脳外科医。
百八十二センチの長身、髪はダークブラウンで、ウルフカット。ちょっと癖っ毛の髪が甘い雰囲気を出している。
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