天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
向かい側にあるドアに近づき、耳を当ててそっと様子を探るが静かだった。
ドアの外に人がいる気配はない。
ドアノブを掴んで思い切り回してみたが、外から鍵がかかっているのか開かなかった。
「そう簡単には逃げられないか」
ハーッと軽く息をついて壁にもたれ掛かる。
談話室になんて行くんじゃなかった。
田辺さんにもらったコーヒー、きっとなにか薬が入っていたのだろう。でなきゃ、こんなふうに意識を失う訳がない。
ここに連れてきたのも彼に違いない。
どうしたらいい?
ここから出られないし、助けも呼べない。
ひょっとしたら私は一生このままかも。
そう考えて気がおかしくなりそうだった。
ああ〜、ダメだ。
悲観的になっちゃいけない。
なにか別のことを考えなくては。
樹は手術、無事に終えただろうか。
彼のことだから成功しただろう。
「樹に……会いたい」
なんとかしてここを出たい。
窓をじっと見据えながら逃げる方法を考えていたら、ガチャッとドアが開いて田辺さんが入ってきた。
「目が覚めたんですね」
彼はトレーを持っていて、床に置くと私に目を向けた。
ドアの外に人がいる気配はない。
ドアノブを掴んで思い切り回してみたが、外から鍵がかかっているのか開かなかった。
「そう簡単には逃げられないか」
ハーッと軽く息をついて壁にもたれ掛かる。
談話室になんて行くんじゃなかった。
田辺さんにもらったコーヒー、きっとなにか薬が入っていたのだろう。でなきゃ、こんなふうに意識を失う訳がない。
ここに連れてきたのも彼に違いない。
どうしたらいい?
ここから出られないし、助けも呼べない。
ひょっとしたら私は一生このままかも。
そう考えて気がおかしくなりそうだった。
ああ〜、ダメだ。
悲観的になっちゃいけない。
なにか別のことを考えなくては。
樹は手術、無事に終えただろうか。
彼のことだから成功しただろう。
「樹に……会いたい」
なんとかしてここを出たい。
窓をじっと見据えながら逃げる方法を考えていたら、ガチャッとドアが開いて田辺さんが入ってきた。
「目が覚めたんですね」
彼はトレーを持っていて、床に置くと私に目を向けた。