天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「煩い!黙れ!」
しばらく揉み合っていたが、俺が田辺の腹部を膝で蹴り上げると、彼が身を屈めて呻いた。
「うっ!」
その時、警官が突入してきて、ナイフを持っていた田辺を拘束。
ホッとしながら、茉莉花ちゃんをこの腕に抱きしめる。
その後から小鳥遊と透が入ってきて、茉莉花の姿を見て「無事でよかった」と声を揃えて言った。
警官が田辺を連行していくが、彼は俺を見て「絶対にお前を許さない!」と喚き散らした。
「それはこっちのセリフだ」
冷ややかに田辺に告げて、茉莉花ちゃんの視界に彼が入らないようさらに強く抱きしめた。
警官にいろいろ話を聞かれたが、茉莉花ちゃんは質問のひとつひとつに丁寧に答えていた。
だが、逆に冷静過ぎて心配だ。
普通は誘拐されたのだからもっとショックを受けているはず。
無理をしているんじゃないだろうか。
警官の話が終わると隼人も駆けつけてきて、茉莉花ちゃんを一目見るなり、涙を流した。
「よかった。茉莉花が無事で本当によかった」
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