天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「うん。みんなのお陰で無事だったよ。心配かけちゃってごめんね」
茉莉花ちゃんは隼人に抱きつくと、彼の背中を優しく叩いた。
そんなふたりを見てちょっと妬けたが、今回は仕方がない。
隼人が田辺のことを調べてなかったら、茉莉花ちゃんは無事ではなかったかもしれない。
そう考えるだけでもゾッとする。
透とは別荘の前で別れ、俺と茉莉花ちゃんと小鳥遊は隼人の車でマンションまで送ってもらった。
車の中では俺や隼人の話にいつものように相槌を打ってはいたが、表情はやはり暗かった。
茉莉花ちゃんと一緒に俺の部屋に帰ると、彼女にシャワーを勧めた。
「シャワー浴びてきたら?その間になにか作っておくよ」
「はい」
茉莉花が小さく返事をしてバスルームに向かうと、キッチンに行き、簡単な食事を用意した。
多分食欲なんてあまりないだろう。
コーンスープを温め、オーブンレンジで冷凍のクロワッサンを焼いてダイニングのテーブルに並べていると、シャワーを浴び終えた茉莉花ちゃんがやってきた。
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