天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
昨日の夜、病院を出てすぐに父から電話がかかってきて……。
《茉莉花、小鳥遊から聞いたがとんでもないアパートに住んでいたそうじゃないか!》
大声で怒る父に苛立ちながらも淡々と返した。
『家賃は安かったし、別になんの問題もなかったよ』
《女の子なんだからもっとセキュリティーの……!》
ガミガミ煩くて耳の鼓膜が破れそう。
『電車が来たから切るね』
かなりムカついていた私は、最後まで話を聞かずに電話を切った。
父はわかっていない。
私はもう社長令嬢ではない。
父と母が中学の時に離婚し、母に引き取られた私は姓が片岡から母の旧姓の如月に変わった。ちなみに、兄は父に引き取られたから、実の兄妹なのに名字が違う。
両親の離婚の原因は父の浮気。
父は日本で五本の指に入る製薬会社である片岡製薬の社長で、母は看護師だった。
母に引き取られて住んでいたのは、1L D Kのアパート。
両親が離婚するまでは豪邸に住んでいたが、狭いアパートでもなんの不満もなかった。
《茉莉花、小鳥遊から聞いたがとんでもないアパートに住んでいたそうじゃないか!》
大声で怒る父に苛立ちながらも淡々と返した。
『家賃は安かったし、別になんの問題もなかったよ』
《女の子なんだからもっとセキュリティーの……!》
ガミガミ煩くて耳の鼓膜が破れそう。
『電車が来たから切るね』
かなりムカついていた私は、最後まで話を聞かずに電話を切った。
父はわかっていない。
私はもう社長令嬢ではない。
父と母が中学の時に離婚し、母に引き取られた私は姓が片岡から母の旧姓の如月に変わった。ちなみに、兄は父に引き取られたから、実の兄妹なのに名字が違う。
両親の離婚の原因は父の浮気。
父は日本で五本の指に入る製薬会社である片岡製薬の社長で、母は看護師だった。
母に引き取られて住んでいたのは、1L D Kのアパート。
両親が離婚するまでは豪邸に住んでいたが、狭いアパートでもなんの不満もなかった。