天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「樹と個人的に知り合う前はもっと派手な生活してるかと思ってたけど、意外に普通の生活してますよね」
「遊んでる暇があったら、患者さんを救いたいからね。日々、いろんな論文読んで勉強してるよ。はい、これは茉莉花の分」
樹がナイフでケーキを切り分ける。
「今日のピアノもビックリだったけど、樹ってやっぱり手先が器用」
綺麗にカットされたみてしみじみ言うと、彼は茶目っ気たっぷりに微笑んでシャンパングラスを持つ。
「神の手を持ってるからね」
「みんなの大事な神の手に、乾杯」
私も笑顔でグラスを手に取り、樹のグラスと重ねて口に運ぶ。
シャンパンがこんなに美味しく感じたのは初めてだ。
ケーキも口に運ぶが、もう生クリームの甘さが絶妙で自然と顔が綻ぶ。
「すっごく美味しい」
樹と食べるから美味しいのかも。
「そんなに笑顔になるなら毎食ケーキ食べさせたいな」
樹に蕩けるような笑顔で言われたが、すかさず突っ込んだ。
「それじゃあ太りますよ」
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