天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
『先生……なんで隣なんですか?』
ショックを受ける私に氷室先生はにっこり微笑み、私に部屋の鍵を手渡す。
『隣が空いてたから衣装部屋として借りただけ』
もう文句を言う気力もなかった。
鍵を開けて中に入ると、廊下にはダンボールが八箱積んであった。
『中にベッドとか置いてあるけど、好きに使ってもらっていいから。必要ないなら捨ててもらって構わない』
そう言って自分の部屋に帰った先生。
奥の部屋はベッドルームになっていて、ベッドはホテルのベッドみたいに豪華で使われた形跡がなかった。
多分、来客用にしていたのかもしれない。
玄関を入ってすぐの部屋には冬用のコートやスーツ、スキー板、ゴルフ道具などが置かれていた。
とりあえず積んであったダンボールの荷解きをしたが、昨夜はあまりに疲れたせいか、朝起きるとダンボールの上で寝ていた。
時計を見たら七時を回っていて、慌ててシャワーを浴びて……。
もう本当に勘弁してほしい。
あとで病院の売店で栄養ドリンクを買おう。
でないと今日は持たない。
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