天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「僕は研修医の長野渉です。よろしくね〜」
宿直明けだよね?この先生。  
凄く元気。私より年上なんだろうけど、高校生くらいのノリ。
いや、単に私に若さがないのかもしれない。
こんなにはしゃぐことないしね。
兄には『茉莉花は精神年齢七十歳』とよく言われる。
「長野先生、お疲れさま〜。帰ってゆっくり寝てね〜」
香織さんが声をかけると、長野先生はお腹を押さえながら彼女に尋ねた。
「香織さーん、今日なんか持ってないですか?餓死しそう」
「チョコバーあるけど食べる」
彼女がデスクの引き出しを開けてチョコバーを取り出したら、長野先生は嬉しそうに笑って受け取った。
「ありがとうございます!」
長野先生の頭に犬の耳が見える。
香織さんがかわいいワンコに餌をあげる的な絵面だ。
そこへ氷室先生が現れた。
「長野、朝からチョコ?寝る前にちゃんと歯を磨かないとダメだよ」
長野先生に注意すると、氷室先生は私に目を向けた。
「やあ、茉莉花ちゃん、おはよう。寝不足みたいだから、今日はあんまり無理しないでね」
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