天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない～独占欲に火がついて、とろとろに愛されました～

なにも考えずに思ったまま口にしたが、香織さんは気を悪くした様子もなく笑顔で返した。
「幼馴染なの。高校の時は勉強も教えてくれてね」
「そうなんですね。小鳥遊先生が先生なら成績上がりそう」
「うん。教え方うまかったよ。私いつも赤点すれすれだったのに、無事に高校卒業も出来たから」
「え？優等生かと思いました」
「優等生だったらお医者さん目指してたよ。小鳥遊先生にずっと憧れてたんだ」
頬杖をつきながら語る彼女の目は恋する乙女の目だった。
なるほど。
香織さんは小鳥遊先生が好きなのか。
「小鳥遊先生も、香織さんがそばにいて心強いと思いますよ。私も病棟クラークのスペシャリストの香織さんに憧れてますから」
真剣に伝えると、香織さんは柔らかな笑みを浮かべた。
「茉莉花ちゃん、ありがとう。それじゃあ、がっかりされないように頑張らないとね」

それから香織さんにいろいろレクチャーを受けた後、病棟を歩いていたら歩行器を使ってリハビリしている朝子おばあちゃんに会った。