天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「先生、他の席空きましたよ?」
「もう座っちゃったし、ひとりで食べるの寂しいから」
ニパッと笑い、優雅な仕草でコーヒーを口に運ぶ先生。
いい性格してる。
ハーッとまた溜め息をつきながら、私もカフェオレを飲んだ。
氷室先生はなにかと私に絡んでくるからちょっと苦手だ。
先生のファンに見られたら恨まれそう。
イケメンには興味ないし、素っ気なくして距離を取ろうとしても、先生の方から近づいてくる。
面倒事はごめんなんだけどなあ。
「眉間にシワ寄ってる。茉莉花ちゃんは思ってることがすぐに顔に出るから面白いね。それに、昔飼ってた猫に似てる。俺に冷たいとこなんてそっくり」
ニコニコ顔で言われたけど、これって文句なのだろうか?
「よく患者さんにも猫に似てるって言われます」
『俺に冷たい』という言葉はスルーしてハハッと苦笑いする。
せっかくの昼休みなのに、これではゆっくりできない。
早く食べて、中庭にでも行こう。
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