天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
なのに、兄はまだ私を尋問する。
《シャワー?まさか男と住んでるんじゃないだろうな?》
「住んでません」
《確認するから住所教えて》
「嫌です。お兄ちゃんが来ると面倒だから」
美形外科医の隣に住んでいるのがバレたらまたなにを言われるかわからない。
《茉莉花、やっぱり男ができたのか》
「だからできてないし、一生ひとりでいるから変な心配しなくていいです」
《茉莉花、早まるな。結婚するのは俺が認めてからだぞ》
「お兄ちゃん、私の話聞いてた?」
次第に話が噛み合わなくなり、三十分も兄の尋問を受けたあとようやくシャワーを浴びたが、身体が冷えてしまったのかくしゃみが止まらない。
「マズいな。早く寝よう」
パジャマを着て髪を乾かすと、レトルトのご飯をレンジでチンして食べる。
冷蔵庫は空だし、今日買い物に行かなかったからおかずにできるようなものはなにもなかった。
すぐに就寝するが、朝起きると案の定喉がイガイガして風邪を引いてしまった。
「身体ダルい」
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