天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない～独占欲に火がついて、とろとろに愛されました～

「三十七度六分。今日は仕事休んだ方がいいな」
仕事……休む？
先生の声を聞いて、一気に目が覚めた。
ずっと夢かと思ってた。
え？え？どうして先生がいるの？
それに……。
「ここどこですか？」
見覚えのない部屋。
キングサイズの大きなベッドに私は寝ていた。
「ここは俺の家。昨日茉莉花ちゃんの家のインターホン押したら、様子がおかしかったからスペアキー使って開けたんだ。そしたら酷い熱で、うちに連れて来たんだよ」
「ご面倒をおかけしてすみません。すぐに帰ります」
起き上がってベッドを出ようとしたら止められた。
「ダメだよ。お粥作ったから食べなさい」
私の頭をクシュッとして先生はどこかに消える。
今何時だろう。
時計を探すと、掛け時計が横にあった。
「六時五分か。まさか熱出すなんて、なにやってるの、私」
自己嫌悪に陥らずにはいられない。
気づけば、見覚えのないTシャツを着ていてますます気が滅入った。
多分、先生が着替えさせたのだろう。
なんとなく記憶がある。