天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「ホント、茉莉花ちゃんは優しいよね。俺をもっと責めていいはずなのに。いいからここで寝てなさい。今家に帰っても引っ越しのダンボールがあって落ち着かないでしょ?」
「それはそうですが……」
反論しようとする私の言葉を先生は遮った。
「早く治して俺のサポートをしてくれると助かる」
その言葉を聞いてもう抵抗する気はなくなった。
「わかりました」
コクッと頷くと、彼は安心した様子でテーブルに薬を置いて言った。
「部屋のものは適当に使っていいから。あと薬飲んでね。ちゃんと寝てなきゃダメだよ。これは命令だから」
ニコニコ顔だが、結構威圧感がある。
「はい」と先生の目を頷いてベッドに横になると、先生は寝室を出て行った。
私が着ていた服はどこにあるのかとかいろいろ聞きたかったけど、まあいいか。
先生の言う通りにして寝て治さなきゃ。
彼に詫びるのは治ってからだ。
目を閉じると、薬のせいかすぐに眠りに落ちた。
どれくらい寝たのか。
ピピッピピッとスマホが鳴って目を開ける。
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