天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
4、彼女を気に入ったので囲い込みました
「茉莉花、その男は誰だ!」
家に帰る茉莉花ちゃんを見送ろうとしたら、ドアの前にスーツ姿の男性が立っていた。
年は三十くらい。
背は高く、清潔感のある顔つきをしていて、スーツや靴、身に付けている腕時計は高級品。
なんの仕事をしいているかは知らないが、セレブな雰囲気が漂っている。
その男性を振り返った茉莉花ちゃんが、目を大きく見開いた。
「お兄ちゃん?どうしてここに?」
彼が茉莉花ちゃんの兄か。
俺を親の敵みたいに睨みつけていて、これはかなりのシスコンだと思った。
この顔……どこかで見たことがある。
どこでだっけ?
なにかのパーティで会った。
あっ、確か……片岡製薬の御曹司の片岡隼人。
だが、茉莉花ちゃんと名字が違う。
目元が彼女とそっくりだから血は繋がっていると思うが、母親が違うとかなにか事情があるのだろう。
「茉莉花が引っ越し先を教えてくれないから小鳥遊院長に聞いて来たんだよ!」
眉間にシワを寄せて答える彼に、彼女は少し動揺しながら質問を続けた。
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