天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「ま、茉莉花に恋人〜!」
さすが兄妹。
驚きの表情が同じだ。
「今日は彼女は体調が悪いので、また日を改めて来てください」
とびきりの笑顔で告げて茉莉花ちゃんを連れて再びうちに戻り、ドアをバタンと閉める。
「待て。まだ話は終わってない!」
ドアの外で彼女の兄が叫んでいたが無視した。
相手に話はさせない。
「先生、なんであんなこと兄に言ったんですか?」
抗議というより戸惑いの表情で俺を見上げる彼女ににっこりと返した。
「話が長くなりそうだったから。また熱が上がったら困るでしょう?」
「それはそうですが、私家に帰るところだったんですけど」
「今出てくとお兄さんに捕まるよ。それに玄関から出入りしなくても茉莉花ちゃんの部屋には帰れるから」
「え?意味がわかりません」
ポカンとした顔をする彼女の手を引いて奥にある書斎に連れていく。
「書斎に連れてきてどうするんです?」
混乱した様子で俺に説明を求める彼女に反対側にあるドアの鍵を解除して開けてみせた。
「そこのドアから帰れる」
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