天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない～独占欲に火がついて、とろとろに愛されました～

急な環境変化に身体がついていかなかったのだろう。
そんなことを考えていたら、茉莉花ちゃんの声が聞こえてハッとした。
「……先生、氷室先生、聞いてます？先生のお嫁さんになりたいって職員は多いんですから気をつけてください」
「うん、ごめん。ちゃんと聞いてるよ。でも、茉莉花ちゃんは俺に興味なさそうだし、そこは心配してないから……というかむしろ襲ってくれてもいいよ」
ニコニコしながら冗談を言う俺を彼女はじっとりと見る。
「先生、ふざけないでください。私は真面目に言ってるんですよ」
「うん。ありがと。でも、そんなに怒ってたらせっかく下がってた熱がまた上がる。明日仕事行くならすぐに寝ること」
こういう言い方をすれば、責任感の強い彼女は素直に従うだろう。
「ああ、そうですね。早く寝なくては」
自分の部屋の時計を見て彼女が慌てる。
「それじゃあ、おやすみ」
茉莉花ちゃんの頭を撫でると、ドアを閉めた。
今すぐ彼女を自分のものにするつもりはない。