天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「ああ。病院に近くて便利だからね」
なるほど。ひょっとしたら、他にもこのマンションに住んでいる病院の先生はいるのかもしれない。
新築のマンションで防音もしっかりしてて、環境もいいし、豪華でセレブ仕様ときている。
三人でエレベーターに乗ると、不意に小鳥遊先生が、私が氷室先生に渡したお弁当の袋に目を向けた。
「氷室、その袋なに?」
「今日の俺のお昼ご飯」
どこか自慢気に返す氷室先生を見てなにか察したのか、小鳥遊先生は私にチラッと目を向けた。
「ふーん。なるほどね。お前のお昼がチョコじゃなくてホッとしたよ」
「やっぱり氷室先生、お昼ご飯チョコだったんですね」
小鳥遊先生の発言を聞いて、呆れ顔で氷室先生を見た。
「そう。医者の不養生とはよく言ったものだよ。氷室が茉莉花ちゃんと知り合う前は、お昼休みなんて取らずに診察してたからね」
「氷室先生、ダメじゃないですか。そんな不摂生。先生が倒れたら困る患者さんいっぱいいるんですよ」
自分が熱で倒れたことは棚にあげて氷室先生を注意したら、彼はニコニコしながら私を見た。
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