天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「うん。だから茉莉花ちゃんに俺がお昼食べるかちゃんと見張っててほしいな」
「言われなくてもそうします。先生は人のことばかり考えて自分のことは無頓着みたいですから」
私は先生に恩がある。
先生が元気に過ごせる環境を作ってあげなくては。
なんか俄然やる気になってきた。
「いや、自分に無頓着なのは茉莉花ちゃんだよ」
どこか楽しそうに氷室先生が言うが、軽く聞き流した。
「はいはい。そういうことにしておきますね」
三人でそのまま病院に向かい、ナースステーションに行くと、看護師に「茉莉花ちゃん、もう大丈夫?あまり無理しないでね」と声をかけられた。
「はい。ご心配おかけしました」
笑顔で返して自席に着くと、香織さんがやってきた。
「あっ、よかった!茉莉花ちゃんよくなったのね。今日は無理しないでね」
「ありがとうございます」
にこやかに返事をしてパソコンを立ち上げる。
午前中は通常の業務をして、空いた時間に溜まっていた仕事を片付ける。
お昼に入ろうとしたら、病棟に行っていた香織さんに呼ばれた。
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