天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
俺の不意打ちのキスに目を丸くする彼女。
本当はもっと長く彼女の唇を味わいたかったが、がっつきすぎはよくない。
「せ、せ、先生……ここ病院ですよ。な、なにしてるんですか!」
あたふたしながら俺を責める彼女の顔が一気に赤くなる。
そんな彼女を見るのは初めてだ。
ようやく俺を男として意識したか?
「茉莉花ちゃん、顔真っ赤だよ。でも、元気になったね。俺の治療は終わり」
「こ、こんなの治療じゃありません!」
つっかえながらも反論する彼女を見て意地悪く言った。
「でも、震え止まったよね?」
「うっ!」
俺の指摘に口籠もる彼女に注意する。
「男とふたりきりになったらもっと警戒しないと」
「でも……氷室先生は女の子にモテモテだし、私にキスするなんて思わないですよ」
パニックになっている彼女の唇を指でゆっくりとなぞりながら微笑んだ。
「茉莉花ちゃん、鈍感だって言われない?」
「鈍感って……え?なにがですか?」
俺のキスの衝撃で狼狽えている彼女にゆっくりと告げた。
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