天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「了解です。氷室先生、あんないけすかない御曹司に茉莉花ちゃん奪われないでくださいよ」
長野は茉莉花ちゃんが俺にとって特別な人だということを知っている。
「言われなくてもそうする」
ニヤリとして答える俺を見て、小鳥遊が面白そうに笑った。
「長野、もうこいつすでに茉莉花ちゃん囲い込んでるからな」
「知らぬは本人ばかりなりですか?もううちの病院中に知れ渡ってますけどね。茉莉花ちゃんは氷室先生のお気に入りって」
長野も俺をからかってきたので、笑って誤魔化した。
「やだなあ。俺は茉莉花ちゃんが安心して住める場所を提供しただけだし、ここの病棟クラークになってもらったのだって彼女が一番適任だっただけだよ」
「氷室が逃げられない状況にしてるんだろうが。茉莉花ちゃんに同情するね」
「人のことをどうこう言う前に、小鳥遊もいい加減結婚したら?いつまでも大田さんを待たせるなよ」
小鳥遊と病棟クラークの大田さんは幼馴染で仲がいいが、付き合ってはいない。
大田さんが好きなくせに、妹扱いしているのだ。
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