天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「ええ。母はもう亡くなってしまいましたけど。では、夕飯用意しますね。すぐにできますから」
キッチンで手際よくフライパンに材料を入れて炒める彼女。
こんな風に誰かが料理するのを眺めるのは久しぶりかもしれない。
小さい頃は母親が料理するのをよく見てたっけ。
女の子ならそんな母親の姿をもっと見ていたはず。
彼女も母親がいなくなって辛いだろうな。
そんなことを考えていたら、茉莉花ちゃんが料理を皿に盛り付けてテーブルに置いた。
「メインはソーメンチャンプルです。お口に合うといいんですけど」
「ちゃんとゴーヤも入ってる。美味しそうだな」
ふたりでいただきますをして食べ始める。
「美味しい。沖縄行ったことあるの?」
「小さい頃家族旅行で毎年行ってたんです。別荘があって」
「へえ。俺も何度か行ったことがあるけど、離島が好きだな。やっぱり海が綺麗だよね」
「私も海好きです。シュノーケルとか楽しかったなあ」
ふふっと笑みを浮かべる彼女がかわいい。

< 99 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop