ヤンデレ社長の婚約者なんて、お断りです！

イケメンに微笑まれ、瑠愛は少し照れながらも「お役に立ててよかったです」と返し、帰ろうとした。刹那。

「お礼をさせてほしい」

急に腕を掴まれ、瑠愛は断る間もなく秀一に車に乗せられ、そのまま高いパーティードレスを購入され、庶民が決して入ることができないような高級レストランに連れて行かれたのである。

そして、あまりに突然のことに戸惑う瑠愛に対し、秀一は瑠愛の手を包んで言ったのだ。

「君に一目惚れをしてしまったみたいだ。結婚を前提に付き合おう」

「えっ？」

少女漫画のような展開に、瑠愛は目を点にする。しかし、目の前にいる秀一はとても嬉しそうで、瑠愛の頭がこんがらがってしまったのは、言うまでもない。

その後、瑠愛は秀一が会社をいくつも経営する社長ということや、十歳も歳上だと知り、瑠愛は「釣り合わないので」と断ったはずなのだ。

しかし、住所を教えていないのに秀一は瑠愛を車で迎えに来たり、宝石の入ったアクセサリーを渡してきたり、挙げ句の果てに瑠愛の両親に「婚約させていただいています」と勝手に挨拶をしたのだ。