ヤンデレ社長の婚約者なんて、お断りです！

「な、何ですか？」

瑠愛が訊ねると、秀一は頬を赤くしながら「放課後も迎えに来る」と言った。そして、その後に続いた言葉に瑠愛の心が揺さぶられる。

「放課後、指輪を一緒に見に行きたいんだ。君がどんな宝石やデザインが好きなのか、婚約指輪や結婚指輪の参考にしたくてな」

「えっ、そんなこと言われてもーーー」

困ります、そう言いかけた瑠愛の言葉はかき消されてしまった。目の前には秀一の顔があり、唇には柔らかな感触がある。瑠愛の言葉は、秀一のキスによって封じられていた。まるで、拒否することを禁じるように。

校門前、みんなが見ているというのに秀一はお構いなしに瑠愛へのキスを続ける。何度も触れるキスをし、時々唇を甘噛みし、最後は舌を入れて瑠愛の口腔を刺激し、乱していくのだ。

「……しゅう……さん……」

瑠愛が胸板を押しても、秀一はキスを止めることがない。キスをされている中、ずっと目を閉じていた瑠愛はゆっくりと彼の顔を見ようと目を開けた。刹那、その表情に驚く。

彼は、欲望を目に宿しながら瑠愛にキスを繰り返していた。まるで野獣のように乱暴で、それでいて優しい。そんな彼の表情に、瑠愛の心は揺さぶられていく。

堕ちるまで、あと少しーーー。