猫を拾った
「私もびっくりしました...起きたら監禁されてて」


「かっ、監禁...ですか」


「それを考えると、律さんよりアキさんの方がまだ良心的かもしれない」



殺されなかったのがその証拠、優里さんは目を細めて微笑んだ。

すらっとした白くて長い指でコーヒーカップを手に取り、飲む。

その少しの動作さえも美しい。



「マフィアは、人を殺すことに躊躇しない...でも、紫さんはまだ殺されてない」


「...アキさん、私に言ったんです。一週間後までに、生きるか死ぬかを選べって」


「......ほう?」


「私は、猫みたいで...こんなに可愛いとは思っていなかったって、言われました」



そっかぁ、なんて楽しそうな声で、優里さんは笑う。

そして少し前のめりになって、手を組んで顎を乗せた。



「アキさんはきっと...律さんより、独占欲が強いです」


「そ、そんなことないと思いますが」


「だからきっと、全部欲しいんだと思う。紫さんの生きる術も、死ぬ直前の記憶も全部...」


「...は、はぁ」


「今のところ、どっちがいいと思ってるんです?」


「......今選べと言われたら、確実に死ぬと思います」



そっか、今度は静かにそういった。
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