猫を拾った
「アキさん、お料理上手なんですね」


「...そうだろうか」


「うちの家は、レトルトばっかりでしたから」



ちゃんとしたものは久しぶりです、そういうと彼は嬉しそうにした。

食卓には、ご飯、豆腐となめこの味噌汁、エビフライ、サラダが並んでいる。

味噌汁なんて、最後に食べたのはいつだろうか。



「食べることは大事だ」


「...そう、ですね」


「まぁ、滅多に自炊しない俺が言ってもなんだが」


「え、滅多にしないんですか」


「......お前がここまで喜ぶなら、毎日してもいいかもしれないな」



ニコッと笑う。
あまり笑わないから新鮮だ。

いただきます、と2人で手を合わせて、お味噌汁を一口。



「おいしいっ...」


「...味噌入れすぎたかもしれないな」



すこししょっぱい、なんて彼が顔を歪める。
でも私にはそんなことは無かった。

...貧乏舌だ、まるで。

なんでも美味しいと言ってしまう。

しかし味関係なく美味しいと言ってしまいそうな、お料理の見た目が悪い。



「明日はどうすればいいんですか?」


「明日はうちに優里がくるはずだ」


「そうなんですね」


「優里はゲームが好きだ、そこのゲーム機でも使って遊ぶといい」



そうして彼は、白米を一口食べた。
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