猫を拾った
第2ステージが終わると、ストーリーに入る。
ピコン、と鳴ったスマホを見た。



【本当に心配だよ】


【ねぇゆかり】


【いい加減連絡返してよ】


【俺には紫しかいないって知ってるでしょ?】



スマホをマナーモードにして、またゲーム画面を見る。
Aボタンを押して、ストーリーを進めた。



「うえぇ、ドロッドロな関係...」


「“黒崎とデキてた”って...怖すぎる」


「第二のリア充はいつ死ぬんですか...」


「たぶん三人目で死ぬんじゃないですかねぇ」



黒崎という、別荘に招待してくれた人とリア充の女の方が浮気していた。

浮気というワードに、思い出すのは母のこと。

あの人も不倫をして...そう、開き直ってた。


あの人が家を出ていく日、最後に言ったこと。



『私は、紫を愛してるわ』



あの言葉以上に、信じられないものは無い。
詐欺師だとか、そんなものより信じられない。

疑って係るべきは親。

まさにその通りだ。


思い出して鳥肌を立てていると、アキさんの部屋の戸が開く。

機嫌が悪そうな、律さんが出てきた。
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